Secret Port1 ~シークレットポート~ | Secret Port ~むつむらの小説~

Secret Port1 ~シークレットポート~

キーンコーンカーンコーン授業終わりのチャイムが学校中に鳴り響く。

この瞬間を待ちわびていたかのように生徒たちは帰り支度を整え、数人のグループに分かれて、帰る者、部活に行く者、それぞれの放課後に向かって一斉に教室を出ていく。

「湊、また明日な!」

サッカー部らしき格好をした少年は湊という少年に別れを告げる。

「あした土曜だから、月曜な!部活がんばれよ!」
いたずらっ子のような笑顔であいさつに答える。

誰もが一度は経験したことがあるだろうこの返しに少年はあきれ顔で苦笑いを浮かべながら、

「はいはい、また月曜日ね。」

そう言い残すと、部活へ向かってかけていった。

「湊、帰るぞ」

4人が湊を待っている。湊を含めたこの5人組がいつものメンツだ。

男3人、女2人で構成されたそのグループは部活に行くわけでもなく、校門を出て帰路に就く。

「今日は何する?」

彩羽がみんなに問いかける。その問いかけに楓は、

「依頼が来ているか次第でしょ」

と返した。

何の依頼については後々わかるからおいておくことにして、5人は目的地に向かって歩いていく。帰り道はごく普通の住宅街だ。

その閑静な住宅街には昔ながらの日本風の家から、最近できたばかりの洋風の家までたくさんある。

閑静な住宅街とはいってもつい最近1か月前くらいまでは何かの聖地巡礼をする人たちがたくさんいてにぎわっていた。

住宅街の中の一角にある古風な家に5人は入っていく。

「おばあちゃん、ただいま!」

「今日もみんなと一緒かい?」

「うん。」

いつも通りの会話が繰り広げられると、5人は階段を上って湊の部屋に入っていった。

ここは湊のおばあちゃんの家だ。5人はいつも学校が終わるとここに帰ってくる。

湊たちは部屋につくと荷物を置くわけでもなく何かを待っている。

湊が壁の一部分を横にスライドさせると、小さなパネルが出てきた。

そのパネルに湊が人差し指をあてると「ピッ」という音と同時にパネルの上に『認証」という文字が浮き出た。

すると壁の一角が上に動き始め、新たに道ができた。道の先には上へつながっている階段があるようだ。

5人がその階段を上っていくとまたドアがある。そのドアも湊が指紋認証して、ドアを開くと、そこには白を基調とした広い空間が広がっていた。

部屋の中心には大きいダイニングテーブルがあり、たくさんの機械が置いてある。

湊—————————————-

家の中でいうとここは屋根裏の部分に当たるがこのことを知っている人は少ない。

おばあちゃんも知らないはずだ。おじいちゃんが数年前の改築の時にみんなに内緒でつくらせたらしい。

おじいちゃんは昔から機械をいじるのが好きで、少年のような心を持ったままの人だったから、秘密基地のようにしたいということでハイテクな隠し部屋を作ったらしい。

部屋をつくったのはおじいちゃんだけど中の内装については俺たちがデザインした。

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壁には180度スクリーンが広がっている。

「あれ?姉ちゃんもういたの?」

「今日は学校が早く終わったからね」

湊が姉ちゃんと呼ぶその人は湊の姉の日葵である。

日葵もまたこの部屋の存在を知る人物だ。おじいちゃんの血を色濃く受け継いだ彼女は小さい時から誰に教わるわけでもなくプログラミングをしていた。

彼女のプログラミング技術はレベルが高く、この部屋のセキュリティも彼女が構築した。

「日葵さん。今日は依頼来てる?」

「んー?あぁ今日は何も来てないよ。」

ここでも出てきた依頼とは6人が行っているサービスに関係するものだ。

サービスとはいうがそんなにたいそうなものでもない。

6人でSecret PortというWebメディアを運営している。このSecret Portにお願いを書き込んで、送信すると湊たちのもとに届く。

その届いた依頼の中から湊たちが興味のある依頼だけを解決するというサービスだ。もちろん報酬も受け取る。

そもそもSecret Portという名は湊が名付けた。ちなみに湊たちが今いるこの部屋もSecret Portと名付けられている。秘密基地の英訳のSecret Baseと湊(みなと)= 港の英訳 Portを合わせてつくられた造語がSecret Portだ。ちなみにPortのほうには港のほうの人々が集まる場所という意味もあると湊が説明して半ば強引に名前を決めた。

「姉ちゃん今日はなんか試すのないの?」

「んー・・・あぁそういえばこの前のやつ改良してあるからその辺で試してくる?」

「えーマジで?どこまでできるようになったか楽しみだなー!どこにあるの?」

「そこの引き出しの中にあるよ!颯くんのメガネも一緒にあるから」

「ありがとうございます」

引き出しの中から湊は5つのケースを出してみんなに配った。それぞれが中身を出して付けていく。

「おーし準備オッケー。どこ行く?」

「じゃあスイッチオンにして土手まで別ルートで歩いて行こうぜ!日葵さん映像送信しても平気?」

「おっけー!できるだけいろいろなところを見ながら進んでね」

次の話


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