Secret Port14 ~シークレットポート~ | Secret Port ~むつむらの小説~

Secret Port14 ~シークレットポート~

残り60秒

 
残り時間が1分になったところで、颯と亮が持っている武器を確認する。

 
まずはドローン。これはさっきまで日葵が使っていたものだ。

外からの偵察にはうまく使うことができなかったが、突入することになった今、入口があるのなら中に侵入させることは容易になった。

武器としてうまく使えれば拘束されるリスクは低くできるだろう。

それに加えて、ロープとガムテープそれから袋は持っている。

あとは今更言うまでもなく、コンタクト、イヤホン。

ついでに颯がSecret Portを出るときに3人に馬鹿にされながらも持ってきた修学旅行の木刀といったところだ。

これらの武器で犯人たちと戦うことになる。

颯の心臓の音が亮の耳にまで聞こえてくる。

亮達の目の数字は15、14、13と減っていく。

この状況で緊張するなというほうが無理だ。

亮も自分に心臓の音が大きいことはわかっている。

『俺の心臓の音も颯に聞こえてるだろうな』と亮が思っていると、颯が亮のほうを見て笑いかける。

颯が緊張で頭がおかしくなったわけではない。

颯はスポーツマンなので過度の緊張がパフォーマンスに悪い影響を及ぼすことを何となくわかっていた。

そんなときに緊張を緩和するためにしているのが『笑う』ことだ。

無理やりにでも笑うことで、本来の自分が持っている能力を限界まで出し切ることができる。颯の今までの経験から生み出されたルーティンといえる。

颯が笑っているのを見て亮も笑った。

『本当に大したやつだよ』と思いながら、減っていく数字に反して、2人の集中力は上がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
カウントダウンが0になった。

亮と颯の2人は顔を見合わせ、亮はドアの左側、颯はドアの真ん中に立ち、颯が中に向かって声を低くして話しかける。

「すみませーん。この工場を撤去するということで、撤去にあたりましてドアを開けておいていただくお約束だったのですが、中に人はいませんかー?物音がするようなので誰かいらっしゃるのであればでてきてくださーい。いないようであれば取り壊しを始めまーす。」
もちろんこんな話は中の犯人をおびき出すための嘘だ。

作戦を立てるときに、おびき出すために、外から大きな音を立てておびき出すという考えもあったのだが、わざわざ警戒心を高める必要はないということでこのセリフになった。

亮  「日葵さん、湊からのにかえて」

亮と颯のコンタクトとイヤホンに湊からの映像、音声が送られてくる。

女  「ねぇどうするの?」

男  「ちっ、お前が出て1時間だけ延ばしてもらえるように交渉してこい。間違ってもこの中に入れるな。話は外でしろ!」

女  「ったくなんでこのタイミングで」

そういいながら女は亮達がいるドアのほうへ向かってくる。

『よしまずは第一段階成功!』そう思いながらも次へ向けて集中力を切らさない亮だった。

  • mutsumura
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