Secret Port17 ~シークレットポート~ | Secret Port ~むつむらの小説~

Secret Port17 ~シークレットポート~

男が木に括り付けられた女が見えるくらいにドアを開いた。

亮と颯は男の行動に注視する。

男が女を助けに行くのなら、工場の中に逃げ込むのもありだ。

が、罠だと考えて出てこなければ、湊を助けに行くのは難しくなる。

男の動きが少し止まった。

何をするのか考えているのだろう。

ドアから少し頭を出して、周囲の様子をうかがっている。

男がドアから外に少しずつ出てきた。女を助けに行くようだ。

颯  「亮、どうする?」

亮  「彩羽、有紗聞こえる?今ならいけるから、湊を助けに行って」

有紗 「彩羽行こう!」

彩羽 「りょーかい」

亮  「颯、俺らも中に入ろう。中で合流したほうがいいと思う」

颯  「おっけー。タイミングだけ言って」

彩羽と有紗が湊を助けるために工場の中に向かう。古い工場なだけあって、ドアに鍵がかかっていない。

有紗 「亮、こっち側の鍵がかかってなかったから、たぶんそっちもかからないかも」

亮  「了解!サンキュー」

工場の鍵がかからないということは、そこに閉じこもるつもりはなかったということになる。

『なんか全体的に雑だよな』と思いながら、亮はタイミングを見計らう。

男が女のもとに近づいていく。人が周りにいないので、安心しているのか視野が狭まっている。

亮  「颯、行くぞ」

2人がドアのほうへ向かう。

男は背後の気配には全く気付いていない。

できるだけ音をたてないように、できるだけ早く工場の中に入った。

そしてドアを閉める。

予想通りドアには鍵がかからないようになっていたので、持ってくるときに散々に言われた颯の木刀をつっかえ棒として使う。

これで簡単には入ってこられないはずだ。

一段落ついたので、亮と颯は湊のほうへ向かう。彩羽と有紗によって湊は拘束を解かれていた。

湊  「みんな、ありがとう」

そんなに時間がたっているわけではないのに数日ぶりに会ったような気がしている。

彩羽と有紗の目にはうっすら涙がうかんでいた。

亮  「はいはい、再会の感傷に浸っているところ悪いけど、ここから逃げるよ」

5人は日葵のもとへ向かう。女子2人を前に走らせ、後ろを警戒しながら男子3人が追う。

その間、男子3人はなにかを考えながら車に向かう。

日葵の車に乗り込み、車を発進させ、工場から離れる。

彩羽 「あー湊が無事でよかった。でもさ、結局あいつらって何だったの?」

亮  「そう、そのことなんだけどさ、湊あの男の顔見た?」

湊  「最後に近づいてきたときに見たけど・・・」

湊が少し間を開ける。

湊  「たぶん亮と同じこと考えてるぜ」

颯  「俺も同じこと考えてますー」

彩羽 「なに?わかってないのって私たちだけ?有紗はわかってる?」

有紗 「ううん。なにもわかんない」

湊  「姉ちゃん!」

日葵 「はいはい」

どうやら日葵もわかっている様子だ。日葵は車を工場の元へ走らせる。

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