Secret Port18 ~シークレットポート~ | Secret Port ~むつむらの小説~

Secret Port18 ~シークレットポート~

せっかく脱出することができたのに湊は日葵に頼んで車を工場へ向かわせた。

工場からそう遠くは離れていなかったので、工場に戻るのにもそう時間はかからなかった。

車を工場の近くに止め、6人は車から降りて、工場の中に向かう。

亮  「湊どう?あいつらいる?」

湊  「いるよ」

颯  「じゃあ、中に入りますか」

彩羽 「え?全然意味わかってないんだけど、ほんとに今から中に入るの?」

有紗 「本当に大丈夫?」

湊  「大丈夫だって!」

半ば無理やり湊たちは工場の中にはいっていく。するとそこには、湊を誘拐した男と女がいた。

男  「な!おまえは・・・」

男は逃げたはずの湊が目の前にいることに驚き、言葉が続かない。男の言葉を補うかのように女が叫んだ。

女  「なんでお前がここにいるんだよ!」

湊  「あんたら間違ってるよ」

湊が突然犯人たちに説教をし始めたかと思ったが、

湊  「俺は役者じゃない」

男  「?」

女  「?」

有紗 「?」

彩羽 「?」

状況を理解していない人たちに驚きが表れる。

湊  「だから俺は俳優じゃないし、子役でもないの」

湊はさも当然化のように言うが、まだ理解してはいない。

湊  「今映画撮ってるんでしょ!」

颯  「だいぶ前にテレビの『職人』で岸田大成監督が出てた時があって、監督は1回もカットせずに映画を撮るって言ってたよ。俳優たちにはキャストを伝えずに、おおざっぱにストリーだけ伝えて自然に出てくるセリフでとるんだって」

亮  「しかもその時、『義賊』の2作目を作るって言ってたから、1作目と同じようにこの辺で撮ってるんだろうなって」

湊、颯、亮が順番に答えに至った経緯を説明する。

ちなみに『職人』とはテレビのドキュメンタリー番組で各分野の職人たちに密着するというもの。

『義賊』は数年前に日本中で大ヒットした映画で世界的名監督岸田大成がつくった映画になる。

亮が言い終えたところで有紗が何かに気づいた。

有紗 「あっ!」

湊  「そうでしょ俳優の田畑浩司さんと女優の猪飼紗良さん」

彩羽も遅れて気づく。

彩羽 「本当だ。全然気づかなかった」

有紗も彩羽も湊を助けに行くという極度の緊張状態で送られた来る映像の細かいところまで見る余裕はなかったために、いま気づくこととなった。

すると、工場の奥のほうから声がした。

男  「はーっはっはー。よくそこまで気づいたな坊主たち。」

田畑 「監督!」

監督と呼ばれるその男こそ、映画監督岸田大成だった。

  • mutsumura
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