Secret Port19 ~シークレットポート~ | Secret Port ~むつむらの小説~

Secret Port19 ~シークレットポート~

岸田 「いやー悪かったな」

豪快に笑いながら岸田は湊たちに謝った。

猪飼 「ちょっと監督一体どうなってるんですか?」

岸田 「まだわからないのか。この坊主たちはただの一般人、ただの中学生だ」

猪飼 「この子たちがただの中学生!?」

岸田 「確かにただの中学生というにしては普通ではないな」

岸田はそういいながら湊たちのほうを向く。

湊  「俺たちただの中学生だよな?」

そういって湊は5人のほうに振り向く。

4人 「うん!」

亮たちがことの経緯を説明する。

湊たちと岸田たちとの話を要約するとこうだ。

前回『義賊』の1作目を湊たちが住んでいる街で撮影した。

映画の大ヒットもあって湊たちの街には聖地巡礼ということでたくさんの人が訪れていた。

それが1月ほど前に公式で、映画の続編を撮影するために聖地巡礼を控えるように呼び掛けた。

すると続編を待ち望んでいた人々は聖地巡礼を控えるようになった。

もっとも数年前の映画だったこともあって、それほどの人数が来ていたわけではないのだが。

そんな経緯があって、無事に続編の撮影をすることになった訳だったが、岸田監督の作品ということもあってシナリオにはこだわらないために、田畑と猪飼にはおおざっぱに指示が与えられた。

その指示はある道路を歩いている男の子を誘拐、そのまま工場に連れていくというものだった。

本来であれば子役の男の子(ここでは仮にかい君とする)が誘拐される予定だったのだが、2人が間違えて湊を誘拐してしまった。

工場に着き、かい君の父親に解放と引き換えの要求を電話する。

2人はかい君が一人っ子であると聞いていたので、湊が姉の話をし始めたときには困惑したらしい。

さらに困惑したのは、人質でしゃべらないはずの子役がすごくしゃべり始めたこと。

普通に拘束を緩めるために交渉をし始めたとき、『監督が連れてきた子役だけあってアドリブがきくな』と思ったと田畑は言っていた。

しかしそんなことは序章。

もっと困惑したのは全く予定になかった、工場を立て壊しに人が来たとき応答に向かった猪飼が戻ってこなかったときだった。

田畑は、もはや自分たちが事件に巻き込まれたのではないかと思いながら、猪飼の様子を見にドアを開け、外の様子を伺った。

そこでなぜか木に括り付けられた猪飼を見つけた時パニックになり、思考が完全に停止したという。

猪飼もただ話に向かっただけなのに、ドアを開け外に出ると視界が真っ暗になり、脅された挙句木に括り付けられたため完全に何か別の事件に末期こまれたと思ったと話した。

一方で亮たちは仲間である湊が誘拐されたと思ったこと。キーホルダーから湊の状況が何となくわかっていたこと。コンタクトレンズのこと。

田畑と猪飼が疑問に思っていたことを1つずつ説明していった。

そんな状況を完全に理解していたのが岸田監督だった。

前もって仕掛けてあったカメラを見ながら、自分が当初思っていた方向と180°違う方向に向かっていたため、わくわくが止まらず、近くの車から様子を見ていた。湊を救出する前に工場で颯が見つけた車が監督が乗っていた車だったようだ。

  • mutsumura
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